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エマグラム台風の名前 「爆弾」低気圧 気象衛星画像の見方東海豪雨

ナホトカ号低気圧

 このページでは、低気圧の発達の様子を、気象衛星「ひまわり」の赤外画像と地上天気図を組み合わせて見ていく。赤外画像そのものの説明は次のページに書いてあるのでそれをご覧ください。またこのページの衛星画像は画像を圧縮していることをご了承ください。

はじめに

新聞記事によると、島根県隠岐島の北約100kmの日本海を航行中のロシア船籍のタンカー「ナホトカ」からの遭難信号が、1997年1月2日午前2時50分ころ第8管区海上保安本部で受信された。その当時の気象状況について、気象衛星赤外画像と地上天気図の合成図を見ながら低気圧の発達について考えてみたい。

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1 日本時間1996年12月31日15時地上天気図とひまわり5号赤外画像

日本時間1996年12月31日15時、中国大陸に1014hPaの低気圧が解析されている。この6時間前にもほぼ同位置に弱い低気圧が解析されている。低気圧の北側では気圧傾度が大きくなっている。これは低気圧の北側に非常に強い寒気があることを示している。一方衛星画像では低気圧の北側と南側に、赤外画像で白く見える雲域がある。赤外画像で白く見える雲は温度が低い、すなわち相対的に高度が高いことを示している。地上低気圧は一つとして解析されているが、雲分布としては、寒気の突入を示す雲域Aと暖気の北上を示す雲域Bとの二つが明瞭である。細かい気圧解析ではそれぞれに対応する低気圧が検出される。

クリスマス寒波や年末低気圧と言う言葉で表されるように低気圧の発達しやすい時期であることも認識しておく必要がある。



 

2 日本時間1996年12月31日21時地上天気図とひまわり5号赤外画像

日本時間1996年12月31日21時, 低気圧は大陸から海上へ出るころである。低気圧に前線が付加されているが、低気圧の周囲で温度差の顕著な部分が明瞭化してきたことによる。 気象庁は、この低気圧に対し24時間以内に最大風速が25m/sに達するおそれがあるとして、海上暴風警報を発表している。警報の内容は速報天気図(JMH)や海上保安庁を通じて公表されている。

予報ということを別にして、この低気圧の発達程度を見てみよう。24時間後の01日21時には中心気圧は990hPaであるから24時間に22hPa(中でも01日03時から01日15時の12時間では16hPa )下がったことになる。急発達する低気圧に「爆弾低気圧」という呼称が付けられるが、この低気圧はこの基準を充たす。沈没の原因はいろいろ論議あるところであるが、筆者はこの事故を対応させて、この低気圧を「ナホトカ号低気圧」と呼びたい。



   

3 日本時間1997年01月01日03時地上天気図とひまわり5号赤外画像




    

4 日本時間1997年01月01日09時地上天気図とひまわり5号赤外画像



    

5 日本時間1997年01月01日15時地上天気図とひまわり5号赤外画像

隠岐島付近を寒冷前線が通過したのは01日15時前後と考えられる。日本海の強風は低気圧の中心付近だけではない。低気圧の後面にシベリア大陸からの寒気の突入(バースト)があるため、いわゆる北西季節風が強くしかも長く続く。海上の波はその風で引き起こされるため、日本沿岸に達するほど高くなる。

   

6 日本時間1997年01月01日21時地上天気図とひまわり5号赤外画像

1時ころから隠岐島付近は気圧が上昇し始めて、非常に強い風と北西からの高い波にさらされる状況になったと考えられる。
日本海西部や黄海には寒気が暖かい海上を吹き渡ることにとってできる積雲の列がみられる。また寒冷前線に沿って、九州の南海上から低気圧の中心の北側に、高度の高い雲がある。

   

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7 1996年12月31日09時初期値の予想天気図


気象庁数値予報モデルの計算結果を示す。500hPa予想天気図を茶色で、地上予想図を黒として合成図で示す。500hPa天気図には渦度と等高度線が描かれている。注目点は図中に特にマークした渦度中心と地上低気圧の中心である。 T=12(12時間後の予想図)では地上低気圧中心の北西側に離れて、500hPaの渦度中心がある。


計算開始の初期時刻ではやっと弱い低気圧が解析される程度の状況だが、その後の低気圧の発達程度を、数値予報モデルでは一番内側の等圧線でみると24時間後の中心気圧1004以下、36時間後の中心気圧992以下と予想している。 予報結果と実況との対応は大変良い。


T=36では地上低気圧中心と渦度中心は重なっている。この経過は低気圧の発達段階の見本とも言えるプロセスである。数値予報が非常に正確に予想しているので、実際の予報の組立はこの「シナリオ」に基づけばよいが、現象の説明及び状況の把握のためには、渦度の位置・強さと地上低気圧の位置、その後の経過がどうなるかということは、いくつか知っておく必要がある。

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